Experience API(xAPI)とは、人々の様々な学習システムでの教育経験(学習活動履歴など)を記録するために、教育コンテンツと教育システム間を相互にやりとりするためのソフトウェア仕様です。
このデータ(記録)はLRS(Learning Record Store)に送信され、一括して保存され、他のシステムからの利用が可能になります。
例えば、システム間でレポートを作成したり、人々が様々なシステムで経験したことに合わせた学習体験を作成することもできます。
LMS365は、受講者の活動を外部の xAPI に準拠したLRSに送信するための xAPI シグナルの送信をサポートしています。
ここでは、xAPI とは何か、LMS365 はどのように xAPI シグナルの送信をサポートしているか、xAPI はどのような場面で使用するのか、LMS365と統合するためには他にどんな方法があるかについてご説明します。
xAPI の仕様
xAPI 仕様は、オンライン・オフラインを問わず、人々の幅広い経験に関するデータを収集することを可能にします。
例えば、学習管理システムで完了したeラーニングに関するデータ、トレーニングの一環として完了する必要がある実活動、仮想世界での体験などがこれにあたります。
xAPI は柔軟性があり、様々なシステムからのシグナルを認識し、やり取りすることができます。
これは、xAPI のシグナルが大まかなフォーマットであるためです。
アクティビティが記録されると、システムは名詞、動詞、オブジェクト、またはXアクターが、Xオブジェクトに関連して、Xアクションを行ったという形式で安全なステートメントを送信します。
このようなステートメントの例としては、次のようなものがあります。
「Adele experienced jumping jacks(アデルは跳び箱を体験した)」この文の JSON 形式は、以下のようになります。
{
"actor": {
"name": "Adele Vance",
"mbox": "mailto:adele.vance@somemailbox.com"
},
"verb": {
"id": "http://adlnet.gov/expapi/verbs/experienced",
"display": { "en-US": "experienced" }
},
"object": {
"id": "http://example.com/activities/jumping-jacks",
"definition": {
"name": { "en-US": "Jumping Jacks" }
}
}
}
このシンプルなフォーマットにより、異なるシステムと操作から来るシグナルを共通の方法で伝達し、同じフォーマットでLRSに格納します。
このように、シグナルをまとめて保存して、まったく異なるシステムと操作から派生したシグナルから、一般的なデータを取り出すことが可能になります。
LMS365の xAPI シグナル送信をサポート
LMS365 は他の学習プラットフォームから xAPI シグナルを受け取るLRSではなく、LRSに xAPI シグナルを送ることができる学習プラットフォームの1つであることを目的としています。
LMS365 は、受講者がトレーニングを開始/完了した際に、xAPI シグナルを通じて外部LRSへの送信をサポートしています。
インポートされた外部トレーニングを除き、受講者が現在のコースカタログであらゆる種類のトレーニングを開始/完了すると、LMS365 から接続先のLRSにシグナルが送信されます。
これにより、LMS365 で受講中、および完了した受講者の学習活動に関する情報をLRSに送信することができます。
同様のデータが他のシステムからLRSに送信されれば、例えば、特定の受講者が異なる学習システム間でどの程度のトレーニングを完了したかのデータを得ることが可能になります。
統合のためにxAPIを使用する場合
学習シグナルの性質が大きく異なる可能性があるにもかかわらず、異なるシステム間で様々な活動に関するデータを収集し、これを単一のシステムにおいて統一されたフォーマットで提供する場合には、xAPI が最適であると言えます。
しかしながら、xAPI のシグナルのフォーマットは大まかであることから、統合を行う上で xAPI が常に最適というわけではありません。
例えば、LMSシステムと人事システムを統合したい場合や、ある LMS から別の LMS に学習記録を送りたい場合は、それぞれのイベントの詳細をやり取りできるような、より適切な方法があります。
LMS365では、Microsoft Power Automate と LMS365 コネクタを用いて、他のシステムと簡単に統合し、学習シグナルの送信や受信を行うことができます。
統合やフローの作成にあたっての様々なオプションについては「Development and Integration」セクションでご紹介しています。