2022年1月20日更新:
Microsoft は 「SharePoint Modern」において、サブサイトを使用してイントラネット内のサイトを構成する代わりに、フラットな階層構造を使用するため、サイト間の接続にハブサイトを採用することを明確に推奨しています。
こうした戦略に基づき、Microsoft はサブサイトの作成をより難しくするアップデートをリリースしました。
現在、LMS 365ではコースとトレーニングプランごとにSharePointサブサイトが作成されますが、このことが一部のお客様にとって大きな課題となっています。
LMS365製品の方向性は、Microsoftの方針と密接に関連しています。そのため、将来的な変更に備えてユーザー様に最善の準備をしていただくため、今後、コースおよびトレーニングプランはサブサイトに依存せず、SharePointコースカタログサイトのルートにページとして作成することを決定しました。
この変更は、2022年1月25日に予定されているLMS365の January 2022 releaseで導入される予定です。
ここでは、この来るべき構造の変更と、お客様に与える影響ついてご説明します。
新しいソリューションのリリースが近づきましたら、この変更についての詳細をお知らせいたします。
この記事では以下についてご説明します。
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このソリューションがどのように機能するか
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この変更が受講者や管理者のユーザーインターフェースに与える影響
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LMS365 APIで作成したフローに与える影響
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この変更がセキュリティに与える影響
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既存のコースやトレーニングプランについて
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今後の予定について
このソリューションがどのように機能するか
現在、LMS 365でコースやトレーニングプランが作成されると、SharePointサブサイトが作成され、SharePointのアクセス許可により、トレーニングで使用される資料を表示または編集するための権限が関連するユーザーとロールにのみ付与されます。トレーニングのホームページは、サブサイトのホームページとして作成されています。
次回のアップグレードではこの構造が変更されます。新しいコースとトレーニングプランには、従来と同様に個別のSharePointページが作成されます。ただし、このページはSharePointコースカタログサイトのルートに配置されます。
ラーニングモジュールドキュメントまたはその他の教材を含むコースの場合、そのコースに関連付けられたフォルダ(コースカタログサイトレベル)にファイルが保存されます。
コースカタログページの設定(歯車アイコン)>サイトコンテンツ>Learning Module Documents に
コースのフォルダが作成され、ここに保存されます。
このフォルダは、セキュリティによって制限され、関連するユーザーやロールのみがコンテンツの閲覧や編集の権限を持つことになります。このように、サイトではなく、フォルダがコース教材へのアクセスをコントロールします。
この変更が受講者や管理者のユーザーインターフェースに与える影響
今回の変更は、主にバックグラウンドで行われ、受講者のエクスペリエンスはほぼ変わりません。
ただし、ナビゲーションや、いくつかのコースやトレーニングプランのホームページ要素の管理方法に若干の変更があります。これらの変更点は以下の通りです。
ただし、ナビゲーションと、一部のコースとトレーニングプランホームページの要素の管理方法が若干変わります。変更点は以下に記載します。
1.コース管理者権限
コースやトレーニングプランに専用のサブサイトがない場合、コース管理者はコースやトレーニングプランのホームページのSharePointページ編集オプションにアクセスできず、SharePointからコースやトレーニングプランのホームページを編集することができません。
このため、LMS365のコースとトレーニングプランの設定を変更し、コース管理者がコースとトレーニングプランのホームページで表示する主要な要素を引き続き管理できるようにします。
ご注意ください:上記の変更は、コースカタログのコースカタログ管理者ではないコース管理者にのみ適用されます。コースカタログ管理者は、引き続きコースカタログサイトのサイト所有者であり、カタログ内のすべてのコースとトレーニングプランのホームページについてSharePointのページ編集オプションにアクセスできます。
2.コース・トレーニングプランホームページのバナーとサムネイル画像
コース管理者がコースとトレーニングプランのホームページのバナーとサムネイル画像を引き続き管理できるように、サブサイトのサムネイル画像とSharePointページのバナー画像に依存しないようにします。
代わりに、バナー画像はLMS365のコースホームページWebパーツに配置され、コースとトレーニングプランの作成(編集)インターフェイスで管理します。
コースとトレーニングプランのサムネイル画像は、これまで同様コースの作成(編集)インタフェース で管理され、バナー画像上に表示されます。
コースカタログ管理者は、コースカタログレベルで既定のバナー画像を定義することができるようになります。コース管理者は、コースやトレーニングプラン毎にこの画像を変更することができます。
3.ナビゲーション
「ホーム」と 「LMS365に戻る」 リンクは、既定のSharePointサブサイトナビゲーションとして機能しています。したがって、これらのリンクはコースとトレーニングプランのページには表示されなくなります。コースやトレーニングプランのホームページは、コースカタログやダッシュボードからアクセスして表示します。
新しいコースやトレーニングプランのURLは、以下のように変更されます。
現行:
https://<テナント名>.sharepoint.com/sites/<コースカタログ名>/<トレーニング名>/SitePages/Course.aspx
変更後:
https://<テナント名>.sharepoint.com/sites/<コースカタログ名>/SitePages/<トレーニング名>.aspx
これにより、SharePoint階層内の新しい場所が反映されます。
4.地域の設定
コース管理者が個々のコースやトレーニングプランの地域の設定を引き続き管理できるようにするため、これらの設定はコースやトレーニングプランの作成(編集)インターフェースに移動します。
5.SharePointテーマ
SharePointのテーマはサブサイト、またはサイトコレクション単位で適用されるため、同じカタログ内の異なるコースやトレーニングプランに個別のSharePointテーマを設定することはできません。新しい構造では、コースカタログ内のすべてのコースとトレーニングプランのページに同じSharePointテーマ (コースカタログのSharePointサイトのレベルで選択されたテーマ)が設定されます。
※今後、コースカタログレベルのLMS設定>SharePointサイトのテーマ設定は廃止されます。
LMS365 APIで作成したフローに与える影響
原則として、LMS365APIで作成されたフローは、現在と同様に動作します。
フローが影響を受けるのは、SharePoint APIを使用してトレーニング設定を変更し、フローがページまたはラーニングモジュールのアイテムがサブサイトに保存されていることを前提としている場合のみです。
この変更がセキュリティに与える影響
セキュリティの観点からは、ほとんど変わりません。
ラーニングモジュールで使用される画像やドキュメントなどのファイルは、これまで通りお客様の Microsoft 365 テナント内に SharePoint Online を介した構造で保存され、これらの構造のセキュリティにはこれまで通り SharePoint のアクセス管理が使用されます。ファイルに対するセキュリティ権限もこれまでと同様です。
ただし、コースやトレーニングプランのページへのアクセスについては、若干の変更があります。
トレーニング対象者オプションが有効になっている場合でも、対象者に属していないユーザーは、ディープリンクを使用してコースやトレーニングプランのページに移動することができます。ただし、情報やコンテンツが表示されることはなく、コースやトレーニングプランが利用できないことを知らせるメッセージが表示されます。
コースやトレーニングプランの名前は、対象者以外の人でも少し注意をすれば見つけることができるかもしれませんし、URLはコースやトレーニングプランの名前に関する何らかの情報を提供するかもしれません。また、SharePointに詳しいユーザーは、SharePointサイトページライブラリに移動して、ここからページの名前プロパティを確認するかもしれません。ですが、これらを行うには、ユーザーはSharePointに関する十分な知識を持ち、少なくともコースカタログサイトでSharePointの閲覧権限を持っている必要があります。
既存のコースやトレーニングプランについて
この変更がJanuary 2022 releaseで利用可能になると、すべての新しいコースとトレーニングプランが新しいアプローチで作成されます。
既存のコースやトレーニングプランは変更されません。つまり、現在あるすべてのコースとトレーニングプランは、URL、構造、ナビゲーション、外観、コースとトレーニングプランの編集インターフェースが維持されます。
今後の予定について
今後、今回の変更前に作成されたコースやトレーニングプランを移行する機能を提供する予定です。これには、これらのコースとトレーニングプランのホームページをコースカタログのルートに移動すること、すべてのラーニングモジュールファイルをコースカタログレベルのセキュリティで保護されたフォルダに移動すること、およびこれらのコースとトレーニングプランのサブサイトを削除することが含まれます。
移行のタイミングやオプションについては、追ってご案内します。